PBT試験とは?CBT試験やIBT試験との違い

公開日:2025/11/18 
pbt試験

近年、試験のデジタル化が進み、CBT試験やIBT試験といった新しい形式が次々に導入されています。その一方で、PBT試験は長年多くの検定や入試で採用され、現在も根強い人気を保つ方式です。この記事では、PBT試験の基本情報をはじめ、CBT試験やIBT試験との違いを分かりやすく紹介します。

PBT試験とは?

試験のデジタル化が進む今も、紙を使う従来型の「PBT試験」は多くの検定や入試で採用されています。CBTやIBTと比較されることもありますが、長年にわたり試験の基本形として定着してきた方式です。

PBT試験の基本構造と成り立ち

PBTとは「Paper Based Testing」の略称で、紙の問題用紙と解答用紙を使って行う試験方式です。受験者は鉛筆やシャープペンシルを使い、指定された解答欄に記入していきます。

かつては記述式問題が多く出題されていましたが、現在は選択肢の中から正しい答えを選ぶマークシート方式が主流です。マークを塗りつぶす動作や、解答用紙を直接扱う感覚は、紙試験ならではの特徴といえるでしょう。

「PBT」という呼び名は、後に登場したCBT(Computer Based Testing)やIBT(Internet Based Testing)などのデジタル試験と区別するために使われるようになりました。試験といえば紙を使うのが当然だった時代から、デジタル化の流れの中で生まれた呼称です。

会場での一斉受験と運営の特徴

PBT試験では、受験者が同じ会場に集まり、同一時間帯に一斉に受験します。大学入試や各種検定など受験者が多い試験では、大規模な会場の確保が必要です。

1会場に収まりきらない場合には、複数の施設を用意し、同時刻・同一問題で試験を実施します。主催者は監督者の配置、試験問題の配布・回収、採点体制の整備などを統一的に行う必要があり、大きな労力を要するでしょう。

こうした運営体制の複雑さから、PBT形式では年に何度も試験を行うことが難しいのが実情です。通常は年1回や数回の実施に限られており、開催日程もあらかじめ決まっています。紙を使用するため、採点や結果集計にも時間を要しますが、こうした手順の積み重ねが公平性を支えているのです。

現在も続くPBT試験の役割

近年は感染症対策や利便性の観点から、CBTやIBTといったデジタル形式が注目されています。それでも、PBT試験が完全に姿を消すことはありません。

その理由は、紙媒体ならではの信頼性と安定性にあります。通信環境や機器の不具合に左右されず、すべての受験者が同じ条件で試験を受けられるため、公平性を保ちやすい点が評価されているのです。

また、鉛筆を使って解答することで落ち着いて取り組めると感じる受験者も少なくありません。こうした安心感は、資格認定や入試などの重要な試験において大きな意味を持ちます。

PBT試験は、試験制度の原点ともいえる形式であり、デジタル化が進む今もなお教育や評価の現場に欠かせない存在として残り続けているのです

IBT試験との違い

PBT試験が紙を使って会場で受験する方式であるのに対し、IBT試験はインターネットを利用して自宅などから受験できるのが最大の特徴です。ここでは、IBT試験の仕組みや利点、そしてPBT試験との違いを具体的に解説します。

IBT試験の基本的な仕組み

IBTとは「Internet Based Testing」の略称で、インターネットを利用して行う試験方式のことです。紙の問題用紙を使うPBTとは異なり、パソコンやスマートフォン、タブレットなどの端末を使って回答します。

最大の特徴は、試験会場に足を運ぶ必要がない点です。自宅や職場など、インターネットに接続できる環境であれば、どこからでも受験できます。世界中の受験者が同じ条件でアクセスできるため、時間や場所の制約を受けにくいのが利点です

この形式では、会場運営や監督者の配置、問題用紙の配布・回収といった物理的な作業が不要になります。そのため、主催者側は会場費や人件費を大幅に削減でき、運営コストを抑えられるのも大きなメリットです。

柔軟な受験環境と高い利便性

IBT試験の魅力は、受験者の利便性が高い点にあります。従来のPBTやCBTでは会場の規模や日程の制約により、希望する日時で受験できないケースもありました。

一方、IBTならインターネット環境さえ整っていれば、自宅や会社などから受験できるため、会場の定員に左右されません。団体受験など大人数での申し込みにも柔軟に対応でき、試験日程の調整が容易になります。

さらに、会場に多数の受験者を集める必要がないため、感染症のリスクを抑えられる点も大きな強みです。受験者同士の接触が発生しないため、衛生面での安全性も確保できます。このように、場所に縛られず、より自由度の高い受験が可能なのがIBT試験の大きな特徴です。

公平性と不正防止の課題

利便性が高い一方で、IBT試験にはいくつかの課題があります。なかでも大きいのが、不正行為を防ぎにくい点です。

PBTやCBTのように試験監督者が常駐していないため、受験者の行動を直接確認できません。そのため、適切な監視体制がない場合にはカンニングなどの不正が起こりやすくなります。公平性を保つには、カメラによる監視や不正検知システムの導入が欠かせません。

また、受験者の端末性能や通信環境の差も問題となります。通信が不安定だと、途中で試験が中断されることもあるため、厳密な評価が難しくなる場合もあるでしょう。こうした理由から、IBTは厳格さを求める試験よりも、利便性を重視するテストに適しているといえます。

PBT試験のメリット

紙を使って実施するPBT試験は、CBTやIBTと比べるとアナログな印象を持たれがちですが、今もなお多くの試験で採用されている方式です。ここでは、CBTやIBTとの比較を通して、PBT試験ならではの主なメリットを紹介します。

大規模な試験を一斉に実施できる

PBTの大きな強みは、同時に多人数の受験を行える点です。紙の試験ではパソコンや専用端末を用意する必要がなく、会場と試験監督者さえ確保できれば、1,000人規模でも運営ができます。

これに対し、CBTでは1人につき1台のパソコンを準備する必要があり、機材の確保や設置、管理に大きなコストがかかるのが懸念点です。1,000台を一度に扱うのは現実的ではなく、複数会場で分散開催するか、別日程に分けて実施する対応が必要となるでしょう。

一方、PBTであれば席数に余裕がある会場を確保することで、同一の問題を同時に出題できます。大規模な受験を効率よく行える点は、他の方式にはないメリットです。

同一条件で受験できるため公平性が高い

PBT試験では、全国の会場で同じ日時・同じ問題が出題されます。受験者全員が紙と筆記用具を使用し、同じ条件下で解答するため、公平性を保ちやすいのが特徴です。

一方で、CBTやIBTのようにパソコンやスマートフォンで随時受験できる方式では、利用環境や操作スキルによって差が出ることがあります。出題のタイミングが異なる場合には、問題の難易度や採点基準にばらつきが生じるおそれもあるでしょう。

その点、PBTは日時を統一した一斉試験であり、全員が同条件で受験します。こうした仕組みが試験の信頼性を支え、公正で透明性の高い評価を行ううえで大きな役割を果たしているのです。

受験者数が多いほどコストパフォーマンスが高い

PBT試験は、受験者が多いほど1人あたりのコストを抑えやすいという特徴があります。主な経費は、会場の使用料や試験監督者の報酬、問題用紙や解答用紙の印刷費などです。これらは受験者数にかかわらず一定の金額が発生しますが、人数が増えることで1人分の負担は分散され、単価が下がります。

一方、CBTの場合は「1名あたり〇円」といった料金体系が一般的で、受験者が増えればその分コストも上昇していくでしょう。つまり、PBTは大規模実施に向いており、試験の規模が大きいほど費用対効果が高くなる方式です

また、PBTでは開催時期を限定できるため、通年で告知や運営を行う必要がなく、広報コストも抑えられます。こうした点も運営側にとって大きなメリットといえるでしょう。

まとめ

PBT試験は、特別な機器やスキルを必要とせず、誰でも安心して受験できる試験方式です。紙の問題用紙と解答用紙を使うシンプルなスタイルは、デジタル化が進む今もなお支持されています。大規模な一斉試験を実施しやすく、公平な環境を保てる点が大きな魅力です。CBT試験やIBT試験のような柔軟性はありませんが、運営の安定性と信頼性の高さから、今後も幅広い場面で利用され続けるでしょう。

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