オンラインテストによって受験者のスキルを測るためには、オンラインの特性を生かしつつ、目的に合った適切な問題を出題しなければなりません。そこで今回は、さまざまなオンラインテストにおける問題形式を紹介します。出題目的や難易度についても触れていますので、試験を作成するときのご参考に、ぜひご覧ください。
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オンラインテストの解答方法の種類
オンラインテストの問題形式には、解答方法と出題方法によって分けることができます。まずは解答方法の種類を紹介します。
正誤を選択する方法
いわゆる○×方式の解答です。出題された問題に対し、正しいのか誤っているかの2択となるもので、難易度の低い問題形式となります。
択一する方法
選択肢が複数あり、その中から1つを選ぶ方法です。正解を選ぶ場合と間違いを選ぶ場合があり、四者択一形式が一般的で、最もよく見られる解答形式です。
複数解答する方法
選択肢の中から複数選ぶ方法です。この場合、選択肢すべてについて、正しいか、誤りかを判断しなくてはならず、択一形式に比べると難易度が高くなっています。問題内容を工夫すれば、少数の問題数で受験者の理解度を測ることができます。
並び替える方法
複数ある選択肢を並び替える形式の解答で、歴史上の出来事を時系列に並び替える、国の大きさ、輸出・輸入量、理科の実験の手順などを問うなどの問題に利用されます。
組み合わせる方法
複数のジャンルにおける選択肢を正しく組み合わせる解答形式です。英単語と意味、人物と出来事、国名と産業などを正確に対応させられるかなどを見る問題に使われます。
記述式
選択肢はなく、自分で答えを記入する形式です。文章で答える形なので、選択式に比べて能力・理解力を正しく測ることができます。
口頭解答
文章を書くのではなく、口頭で答える方法です。国家試験などに使われることが多い形式で、外国語のスピーチ試験にもよく利用されています。自分の言葉で答える必要があるため、高い理解力や判断力を見極めることができます。
座標指定による解答方法
地理や歴史などの問題に利用されることのある解答方法で、ある問題に対し、地図上の一点を指定することで解答します。エリアの指定や、厳密な位置を指定するなど、解答の難易度を調整することも可能です。
ファイル提出による解答
プログラミングなどの試験では、ある条件の下で作成したものを提出させて、採点するという方法も使われています。一般的な試験問題では把握できない能力を見る必要があるときには、このような形式を利用することも必要です。
オンラインテストの出題方法の種類
オンラインテストにおける問題の出題には、一般的なペーパーテストと同じような問題形式のほか、オンラインならではの出題方法もあります。
文章問題
最もポピュラーな出題形式で、「○○はどういう意味か、この中から選びなさい」のように文章だけで作成された問題です。
穴埋め問題
提示された文章の、抜けている部分を埋めていくという問題で、用意されている選択肢をドラッグ、ドロップして埋める場合が多いですが、記述式で埋めるという少し難易度が上がるパターンもあります。
リスニング問題
外国語の試験で良く用いられるのが、音声を使って出題される問題形式です。聞く力と話す力の両方のスキルを判断するなら、リスニング問題と口述解答を併用させる方法がおすすめです。
画像(動画も含む)問題
提示された画像の状況を説明したり、画像から推測させたりして答えを導き出させる形式の問題です。文字の上だけでなく、実際の景色や人物の様子についての知識も持っているかを判断するために使われます。
また、オンラインならではの動画問題は、的確な状況判断も必要となるため、静止画像による出題よりも難易度が上がります。
オンラインを活かした出題形式
ペーパーテストでは不可能な、オンラインを生かした問題には、次のようなものがあります。
制限時間が決められた問題
1問ごとに解答するための時間が制限されている形式で、判断力と即決力が大きく影響します。考える暇も調べる時間も与えないため、カンニング防止にもなります。前の問題に戻れない設定となっているので、問題が流出する危険性も少なくなります。
ただ、解答方法は、受験者のタイピングスキルにより、大きな差が出てしまう可能性があります。不利な条件を出さないためには、解答を記述式ではなく選択式にするなどの工夫が必要です。
複数の問題から出題
ある一定数の問題を準備しておき、それをランダムに出題する方法です。受験者それぞれに出題される問題が異なるため、問題の流出が起こった場合も最小限の被害で押さえられます。
また、問題は順次新しいものを作成しておけば、毎回すべてを作り直す必要が無くなります。ただ、難易度の異なった問題が、どの受験者に出題されるかが把握できないと、受験者に不公平が出てしまいます。そのため、難易度のバラツキには細心の注意をしなければなりません。
テスト時間のタイミングをずらす
会場でのリスニングテストの場合、一斉に音声を聞かせなければなりません。しかし、オンラインの場合は、音声を再生するタイミングを受験者それぞれにずらすことができます。
動画問題の場合も同じように、再生を開始する時間が受験者ごとに異なっても良いのです。ただし、不正や不公平がないように動画や音声の再生は1度きりという設定にしなければなりません。
まとめ
オンラインテストは、受験者にとっては自宅にいながら受験できる、運用者側には会場設営や人件費などの時間的・経済的コストが削減できるというメリットがあります。
その一方、替え玉受験や問題の流出、サーバーダウンによる試験中のトラブルなどのデメリットもまだまだ多く見受けられます。しかし、さまざまなオンラインテストのシステムが不正やトラブル対応の機能を備え、アップデートも行っていますので、日々デメリットは減少するはずです。
オンラインテストにおいては、これからも様々な問題形式が生み出されるでしょう。受験生も出題側も、ともにメリットのある受験が行われることを期待しています。