試験を行ううえで、知っておきたいのが「リスク」です。災害によるリスク、新型コロナウイルスによるリスク、オンライン試験導入に伴うリスクなど、ひと口にリスクといってもさまざま存在します。
しかし事前にきちんと対策ができていれば、大きなトラブルは回避できます。
そこで今回は、試験を行う際のリスクと今からでもできる対策についてまとめてみました。プロに依頼する方法もありますので、不安な方は相談してみるのもよいでしょう。
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不測の事態に備える
めまぐるしく社会が動くなか、いつなにが起きてもいいように万が一に備える必要があります。とくに昨今は新型コロナウイルスや北朝鮮情勢など、さまざまな問題が起きています。
もちろんそれだけではありません。災害が多い日本は、地震・台風・大雨なども頻発しています。
安心安全に試験を行うには、こういった不測の事態に備えて対策を考えることが大切でしょう。
損害保険の加入
近年は、オンライン試験を導入する会社・企業が増えています。自宅でインターネットを介して試験が受けられるので、わざわざ会場に出向く必要がなく、不測の事態でも試験を中止・延期しなくて済みます。
しかしオンライン試験だけでは、万が一トラブルが起きたときに対処できない場合があります。そんなリスクに備えておすすめしたいのが「損害保険」です。みなさんも一度は耳にしたことがあると思いますが、損害保険とは「突然の事故や災害などによる損害をサポートするための保険」のことで、用途に応じていろんな種類が存在します。
今回は、試験に関連する損害保険が効果的でしょう。たとえば、個人情報漏えい対策・システム障害対策・イベントトラブル対策などが挙げられます。とくに個人情報漏えい保険は多くの主催者が加入しており、必要不可欠な保険です。
オンライン試験を利用する場合はシステム障害対策を、大型会場で開催する場合はイベントトラブル保険も加入しておいたほうが安心でしょう。
免責事項を記載
受験者になにかあったときに備えて、主催者のホームページには以下のような免責事項を記載しておきましょう。
たとえば、災害で中止・延期になった場合や電車の遅延、会場でのトラブルなどが挙げられます。試験中に災害が発生した場合でも、開催できない理由をきちんと記載しておけば受験者側も安心して試験に挑めます。
電車の遅延に関しては遅刻証明書などの対応を、会場でのトラブルで試験が正常に行われなかったときの対応方法についても、わかりやすく記載しておきましょう。
近年はオンライン試験の導入でカンニングや替え玉受験も増えています。こういった不正行為は受験資格がなくなる旨を記載しておくとリスク軽減につながるでしょう。
災害などで開催できなかった場合の対応
日本は非常に災害が多く「災害大国」と呼ばれています。とくに地震に関しては、ほぼ毎日のようにどこかで発生しており、いつ大規模な地震が起こるか不安を抱えている方も少なくないでしょう。
このように、突然の災害で試験が開催できなかった場合、スピーディーな対応ができるようにきちんと対策を考えておくと安心です。
返金対応
一番効果的なのは「返金対応」です。なかには延期という方法をとる主催者もいると思いますが、そのためにはシステム構築が必要になります。構築に慣れているのであれば返金をせず次の開催に充ててもらっても問題ありませんが、慣れていないと少々重い開発になってしまいます。ようするに、返金をしたほうが次に充てるより簡単な工程で済むわけです。
ちなみに、オンライン試験のようにコンピューターを使って試験を開催する場合、前述した方法より再受験がスムーズになるといわれています。
バックアップ対策
試験開催に限らず、不測の事態に備えてバックアップをとっておくことは非常に重要です。
突然プログラムがバグを起こしたり、データセンターが破壊されたり、場合によっては合格者のデータをすべて失ってしまう恐れもあります。トラブルの規模はどうあれ、主催者にとって大きなダメージになることは間違いありません。
しかし、バックアップをとっていればデータを復旧させられるので、これ以上の問題は回避できます。一番よいのは、バックアップのバックアップをとっておくことです。膨大なデータを繰り返しバックアップするのは大変ですが、リスクは回避できるでしょう。
プロに委託する
そもそも、リスクの対応は簡単ではありません。技術があれば主催者で対応できますが、素人の場合、無理に触ってしまうと状態を悪化させてしまう恐れがあります。また大変な思いをして合格者データを管理するくらいなら、プロに任せてしまったほうが賢明でしょう。
もちろん、プロに委託したからといって、一切トラブルが起きないとは限りません。ただそれでもリスクは大幅に軽減します。
オンライン試験によるカンニング問題
オンライン試験の導入が増えているなかで、問題となっているのがカンニングです。筆記試験でも起こり得ることですが、オンライン試験は自宅で行うケースが多いため、会場で開催するよりカンニング率が高くなってしまいます。
実際、手元に教科書や資料を置いて試験を受けた受験者の事例も存在します。このように、受験者が自由な行動をとりやすいオンライン試験は、カンニングのリスクについてもきちんと考えておかなければいけません。
カンニングの対策を考える
オンライン試験において、カンニングを防ぐのは非常にむずかしいといわれています。というのも、試験管が目視できる範囲が限られているからです。そういった理由から、大学の入学試験ではオンライン試験を行っていないところが少なくありません。
しかし最近は、顔認証やWEBカメラなど、少しずつ対策されるようになってきています。某大学では、顔認証によるオンライン試験も実施されていますから、ある程度リスクを軽減するのは可能でしょう。
対策の種類
現段階で取り入れられている対策方法は、顔認証・WEBカメラ・AIなどが挙げられます。
顔認証とは、ご存知のとおり本人確認を行う一種で、自身の顔によって認証してもらう方法です。カメラの映像と照合して認証するため、なりすまし・替え玉受験対策にも効果があります。顔認証でカンニングの有無は確認できませんが、不正を起こすとすぐに判明するため、導入しておくと安心でしょう。
WEBカメラは、受験者の行動をリアルタイムで監視するのに非常に効果が高い対策方法になります。なかには受験者の手元を監視するオンライン試験も存在し、最近は死角を軽減する広範囲撮影が可能なカメラを導入している会社・企業もあります。
AIは、近年注目されている対策方法です。不正検出AIを導入することで、あやしい動きに素早く反応し、カンニングの有無を確認します。ひと口にAIといってもさまざまですが、試験に活用するなら「物体検知AI」「PC画面認識AI」などもおすすめでしょう。
カンニングによる受験生への影響
受験者に対しても、カンニングをすることでどんな影響があるか知ってもらう必要があります。試験開始前に「カンニング監視システム」を導入していることを伝えるのもよいでしょう。
「少しくらい大丈夫なはず」「バレなければ…」と思うかもしれません。しかし、カンニングは社会的な問題です。実際、カンニングでニュースに取り上げられた事例もありますから、いかにカンニングによる不正行為が問題視されているかきちんと理解しておきましょう。
場合によっては受験資格が失われたり、合格が取り消されたりする可能性もあります。
まとめ
試験を行う際に、考えておくべきリスクについて紹介しました。たかが試験、されど試験、その試験が受験性の人生を狂わせてしまうこともあります。主催者側は、そういったリスクを考えて対策を考える必要があります。
また、どんなリスクが起こりやすいかもしっかり調査しておきましょう。とくに日本は地震・台風・大雨など災害が多い国です。昨今はJアラートなど北朝鮮情勢も緊迫しており、いつなにが起こるかわかりません。
主催者側は、不測の事態に備えてさまざまな対策方法を考えておきましょう。