企業の試験でも導入されているオンライン試験の課題は?

公開日:2024/03/22  最終更新日:2024/05/08
オンライン試験 課題

企業の昇進・昇格試験などでも、オンライン試験が導入されはじめています。これまでは、運営を外部に委託したり、自社で会場を準備して行ってきました。

しかし、オンライン試験の普及とともに、自社で運営を行う機会が増えてきました。それに伴い、さまざまな課題が浮き彫りになっています。

本記事では、企業でオンライン試験を行う際にどんな課題があるのか?リスクなどを交えながら解説していきます。

オンライン試験の種類とは?

オンライン試験には、さまざまな種類があります。その中でも代表的なものは、CBT(Computer Based Testing)とIBT(Internet Based Testing)です。

まずCBTは、コンピューターを使用して試験を受ける形式で、一般的には特定の試験センターで行われます。受験者は、指定されたコンピューターを使用して問題を解答していきます。

一方、IBTはインターネットを利用して試験を受ける形式で、受験者は自宅やオフィスなどの任意の場所から試験を受けることができます。オンラインで受験者のデバイス(PC、タブレット、スマートフォン)を使用して試験を受けるため、IBTは特定の場所に行く必要がなく、受験者にとって便利な形式です。

さらに掘り下げると、CAT(Computer Adaptive Test)やリモートプロクタリングといった新しい技術も登場しています。CATでは、受験者の能力レベルに応じて問題の難易度が自動的に調整されます。

リモートプロクタリングでは、受験者の行動や環境をリアルタイムで監視し、不正行為を防止するための技術が活用されます。これらの種類のオンライン試験は、技術の進化や受験者のニーズに合わせて常に進化し続けています。

オンライン試験のメリット

オンライン試験には、多くのメリットがあります。ここでは、オンライン試験のメリットを大きく分けてふたつ紹介します。

場所や時間の制約がない

まず、オンライン試験は場所や時間に制約されない柔軟性が魅力です。受験者は自宅やオフィスなど、インターネットに接続できる場所から試験を受けることができます。

これにより、通学や通勤の時間を節約し、自分のペースで試験準備を進めることができます。また、オンライン試験は受験者にとってストレスを軽減する効果もあります。

試験会場への移動や試験監督者との対面など、従来の試験形式には試験直前までさまざまなストレスがあります。オンライン試験であれば、試験に向けて全力で集中すること回避することが可能となります。

効率的な運用が可能

オンライン試験は、試験を主催する側から見ても効率性が高いというメリットがあります。従来の試験では、試験の運営を専門業者にアウトソーシングするか、企業が手配した会場で実施してきました。

しかし、専門業者にアウトソーシングするにしても、自社で運営をするにしても、時間もコストも掛かります。そのため、オンライン試験を活用すれば、従来の試験形式に比べて受験者も主催者側にとっても、より便利で効率的な試験を行えます。

特にコロナ禍以降、密になりやすい会場ではなく、非接触で行えるオンライン試験の需要は高まっています。

ほかにも、オンライン試験であれば、試験結果を即座に自動採点することが可能です。また、試験内容や問題形式を柔軟に変更しやすく、受験者の能力や理解度に合わせて、適切な問題を出題することも可能です。

社内試験を紙でおこなうことの課題

制作時間とコストがかかる

オンライン試験が広がっている昨今、紙で行う試験に対する考え方が変わってきています。しかし、紙だからこそメリットになる点もいくつかあります。

たとえば、なりすましやカンニングのリスクを軽減したり、試験中の通信トラブルを回避したりできるなどです。

一方で、課題も存在します。まず、制作時間や無駄なコストがかかる点です。

オンライン試験の場合、インターネット環境があればすぐに対応できるため、用紙の印刷・配布・回収が不要になります。そのうえ保管場所を確保する必要もないので、管理の手間も省けます。

紙での試験は、試験問題の作成~採点~結果の送付まですべて人の手で行います。当然、多くの時間を費やすことになりますし、社員の負担も大きくなるでしょう。

これらの時間・コストが削減されれば、ほかの業務に時間を割けるようになります。マニュアル・フォーマットの作成や新しいシステムの構築など、社内教育の充実化も叶えられるでしょう。

運用管理が大変

紙の試験は、各用紙を作成・印刷し、採点や回収が必要不可欠です。さらに、回収した用紙はきちんと保管・管理を行わなければいけません。

これらすべて人の手で行うため、通常業務と重なると大きな負担になり、保管場所を間違えれば第三者に閲覧される危険性も潜んでいます。

このように、紙の試験は運用管理が非常にむずかしく、問題配布・回収などに工数を要することになります。また、きちんと印刷できていなければ、もう一度作成・印刷することにもなりかねません。

システム導入のハードル

オンライン試験に比べて負担の大きい紙の試験ですが、いざシステムを導入するとなるとハードルが高いのがデメリットです。

なぜなら、オンライン試験はすべてパソコンで作業を行うため、必要な知識・技術が求められるからです。

実際にCBT化を取り入れることに対して「ハードルが高そう」「通信トラブルの懸念がある」など、心配している方は少なくありません。

便利かつスムーズに試験を実施できる一方で、リスクは決してゼロではないのが現実です。ほかにも、セキュリティ問題や受験する端末が揃わないなどのデメリットも存在します。

紙の試験は、多くの業務を強いられる反面、むずかしい知識・技術は不要です。解答用紙を見て丸をつけていくだけでよいので、経験の浅い社員でも比較的簡単にこなせる点がメリットといえます。

オンライン試験が増えている昨今、紙の試験も決して捨てたものではありません。とはいえ、運用管理の大変さや制作にかかる時間、無駄なコストがかかるのは、やはり紙の試験のデメリットです。どちらを選ぶかは、会社でしっかり話し合って決める必要があるでしょう。

オンライン試験の課題とは?

オンライン試験には多くのメリットがありますが、同時にいくつかの課題も浮き彫りになっています。ここでは、オンライン試験を導入するにあたって、知っておきたい課題について解説いたします。

受験者のなりすまし

オンライン試験における重要な課題のひとつが、受験者のなりすましです。オンライン上での試験では、受験者が自宅やオフィスから試験を受けるため、本人確認が容易に行えないことが課題となります。

受験者が他人に代わって試験を受ける、替え玉受験のリスクがあるのです。受験者のなりすましは、試験の公平性や信頼性が損なわれる恐れがあります。

このため、受験者のなりすましを防ぐためには、厳格な本人確認手続きや生体認証技術の導入などが必要です。また、リモートプロクタリングシステムを活用して、受験者の行動を監視し、不正行為を検出する方法も有効な手段です。

カンニング

オンライン試験における課題のふたつ目は、カンニングです。従来の試験以上に、受験者がカンニングを行うリスクがあります。

たとえば、オンラインであればインターネットを使って解答を検索したり、メモを取ったりもできます。さらに、リモート環境では監督が難しく、受験者が他人と情報を共有する可能性もあります。

このような状況下でカンニングを防ぐためには、適切なセキュリティ対策や監視システムの導入が必要です。また、試験の問題形式や出題順をランダムにするなどの対策も有効です。

オンライン試験の信頼性と公平性を確保するためには、カンニング対策も十分に行いましょう。

試験中の通信トラブル

オンライン試験の課題のみっつ目は、試験中の通信トラブルです。オンライン試験という特性上、インターネット接続の不安定さや、突然の切断などが試験中に発生する可能性があります。

これにより、受験者が試験内容に集中できなくなるだけでなく、試験の公平性や正確性にも悪影響をおよぼします。もし、試験中に通信トラブルが発生した場合、すみやかに安定した通信環境を提供するといった対策が必要です。

これには、事前のテストや適切なインフラ整備、トラブル発生時のフローを構築しておくことも忘れてはいけません。併せて、試験内容の漏洩といったリスクを防ぐためにも、セキュリティ対策の強化も行いましょう。

オンライン試験を成功させる方法とは?

オンライン試験を成功させるためには、課題を考慮した対策が必要です。先ほど紹介した課題を整理して、少しでもリスクを回避しましょう。

以下の方法を実践することで、オンライン試験を成功させることができます。

インターネット環境の整備

オンライン試験を成功させるために欠かせない要素のひとつが、インターネット環境の整備です。高速かつ安定したインターネット接続が確保することは、オンライン試験を運営する上で必要不可欠です。

事前にインターネット回線の速度や安定性を確認し、万全の状態を整えておきましょう。インターネット環境を整備することで、試験中の予期せぬ接続問題や、遅延などを最小限に抑え、健全な試験環境を提供できます。

試験方法の周知

オンライン試験の成功には、受験者への試験方法の周知が欠かせません。受験者が試験を円滑に受けるためには、試験のルールや手順を十分に理解しておくことが大切です。

なぜなら、受験者がパソコンやインターネットの扱いに慣れているかが、試験に影響する可能性があるためです。そのため、受験者向けに説明資料や動画を準備しておくと、より公平な受験ができます。

説明資料には、試験の日程や時間はもちろん、試験で使用するプラットフォーム、ログイン方法、試験の進行方法、禁止事項などを盛り込みましょう。また、受験者が疑問や不明点を解消できるように、問い合わせ窓口やオンラインサポートを用意することも重要です。

試験方法の周知を徹底することで、受験者は試験に集中し、ストレスなく試験に取り組むことができます。

トラブル時のサポート体制

オンライン試験を成功させるためのみっつ目のポイントが、トラブル時のサポート体制です。試験中に技術的な問題や困難が生じた場合、素早く対応しなければなりません。

インターネットや機器のトラブルが発生した場合、再試験にも繋がる重大なトラブルとなります。このため、試験主催者は事前に十分なサポート体制を整えておく必要があります。

トラブル発生時は、受験者がメールや電話などの手段で問題を報告し、即座に対応できる体制を構築します。また、技術サポート担当者が試験中に常駐し、受験者の問題に迅速に対応できるようにします。

さらに、試験前に受験者に対してサポート窓口の連絡先や対応方法を周知し、トラブルが発生した際に円滑な問題解決を図りましょう。

ライセンスの更新

ソフトウェアやオンラインサービスを利用する際、定期的なライセンスの更新が必要です。ライセンスは、製品やサービスの利用権を保証し、期限が切れると利用できなくなる場合があります。

そのため、定期的にライセンスを更新することを忘れてはいけません。ライセンスの更新手続きは、通常オンラインで行われ、購入履歴やアカウント情報を使用して行います。

更新には一定の費用が掛かる場合がありますが、最新の機能やセキュリティの更新が提供され、適切なサポートを受けることができます。

ライセンスの更新を怠ると、製品やサービスの利用が制限される可能性がありますので、定期的な確認と更新は必ず行いましょう。

課題を押さえてオンライン試験を有効活用

本記事では、オンライン試験のさまざまな課題に焦点を当てて解説してきました。オンライン試験のメリットは非常に魅力的ですが、同時にセキュリティや技術的な課題も浮き彫りになりました。

本人確認や不正行為の防止、トラブル時のサポート体制の整備など、オンライン試験の成功に向けた対策が不可欠です。これらの対策を講じることで、オンライン試験はより効果的で、便利な試験方法として確立できます。

おすすめのオンライン試験システム比較表

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システム名Online Test Center(オンラインテストセンター)Remoty AI+リモートテスティング(Remote Testing)スマート入試OnVUEウィズダムベース(WisdomBase)エクサート(Excert)
特徴サービスはオンライン試験のシステムだけでなく、運営までお任せできるAIが不正を自動で検知し、オンライン受験の懸念点を解消するシステムが強み日本人に最適化された挙動検知AIが、あらゆる不正行為を見抜く2台の監視カメラと4つのAI機能で強固な不正監視を実現したオンライン試験徒歩0分の試験会場、自宅であっても安心・安全に受験できる6,000万通りの設定項目で、思い通りの試験を実現する教育事業者自身が提供するオンライン試験を提供
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