
オンライン試験は、近年のインターネット環境の整備を受けて徐々に導入されつつある試験形式です。しかし、オンライン試験にはメリットと共にいくつかの解決すべき課題も残っています。本記事では、オンライン試験を成功させるための秘訣を紹介するので、オンライン試験の導入を検討している場合はぜひ参考にしてください。
CONTENTS
オンライン試験のメリット
オンライン試験は、単に「試験をオンライン上で受けられる」という利便性にとどまらず、受験者・主催者双方に多くのメリットをもたらす試験方式として注目されています。
まず、従来の筆記試験では、受験票や問題用紙、解答用紙の印刷・配送・回収などに多大なコストや人手がかかっていました。しかしオンライン試験では紙の使用がほとんどなく、会場費や人件費も削減できるため、運営コストを大幅に低減できます。
さらに、試験終了後の採点や集計はコンピュータによって即座に処理されるため、結果発表も迅速で、受験者の不安を軽減しつつ運営側の業務効率も向上します。また、オンライン試験は受験者データや成績を一元管理できます。
そのため、特定条件に基づくデータ抽出や分析が容易で、研修再受講者の選定や形成的評価など、多角的な活用が可能です。出題形式も従来の文章題に加え、音声や動画、操作を伴う問題など多様化でき、受験者の能力をより幅広く評価できます。
さらに、問題や解答は暗号化されて送受信されるため、紛失や漏えいのリスクを大幅に軽減でき、セキュリティ面でも安心です。
加えて、受験者は自宅や地方拠点から手軽に試験を受けられるため、移動や業務機会損失の負担が減り、受験環境のハードルも低くなります。自然災害や悪天候、感染症拡大などの非常事態にも強く、万が一の振替受験対応も容易です。
オンライン試験が抱える課題
オンライン試験は利便性やコスト削減など多くのメリットを持つ一方で、現場に試験監督がいないことによる不正行為のリスクが課題として指摘されています。とくに代表的な問題として「カンニング」と「なりすまし・替え玉受験」が挙げられます。
カンニングは、自宅などの監督不在の環境下で起こりやすいです。受験者が手元に参考書や教科書を置いて調べながら回答したり、スマートフォンで検索したり、SNSを通じて第三者からヒントを得るといった行為が該当します。
こうした行為は、従来の試験会場での監督下で行われる筆記試験に比べ、オンライン試験では防止が非常に難しいという特徴があります。とくに企業の新卒採用試験などでは、受験者の利便性が高まる一方で、こうしたカンニングリスクが付きまとうのが現実です。
一方、なりすましや替え玉受験もオンライン試験の大きな課題です。受験者本人ではない第三者が本人になりすまして試験を受ける行為であり、試験監督が物理的に存在しない環境ではこうした不正が行いやすくなります。
これにより、大学入学試験のような重要な試験においては、オンライン試験の導入に慎重な判断が求められています。
オンライン試験を成功させる秘訣
オンライン試験を円滑かつ効果的に実施するためには、不正対策に加えて、受験者側・運営側双方の視点からさまざまな準備が不可欠です。
受験者の操作技術の習熟
まず重要なのは、受験者がオンライン環境やICT機器に十分に慣れていることです。オンライン試験では、PCやタブレット、インターネットの操作スキルが不十分だと、試験結果に差が生じる可能性があります。
そのため、受験者に対して事前に試験の流れや操作方法をわかりやすく示した動画やマニュアルを提供することが効果的です。これにより、受験者の不安を軽減し、スムーズな試験実施が可能になります。
サーバーの性能を事前に確認する
次に、オンライン試験を実施するサーバーの性能や耐障害性の確保も欠かせません。とくに大規模な試験や同時接続人数が多い場合、サーバーが容量オーバーとなり、システムが停止してしまうリスクがあります。
このような事態を避けるため、サーバーを含むシステム全体が大量の同時接続に耐えられるか事前に検証し、十分な余裕を持った環境を整備しておくことが求められます。サーバーダウンは試験運営に大きな支障を与えるため、事前の負荷テストやシステムの冗長化は重要なポイントです。
当日のサポート体制を充実させる
さらに、試験当日のサポート体制もオンライン試験の成功に直結します。いかに準備を整えても、受験者側の端末トラブルやネットワーク障害、ログイン不可など、予期せぬ問題が発生する可能性はゼロではありません。
そのため、運営側は問い合わせ対応やトラブルシューティングを迅速に行えるサポート体制を整えておくことが必要です。これにより、受験者は安心して試験に臨むことができ、運営側もスムーズに試験を進行させることができます。
まとめ
近年注目されるオンライン試験は、受験者・主催者双方に多くのメリットをもたらします。紙の印刷や会場費を削減できるだけでなく、採点や結果集計も即時に行え、データの一元管理により分析や評価も容易です。また、音声・動画・操作問題など多様な出題形式が可能で、受験者は自宅などから手軽に受験でき、自然災害や感染症などの非常事態にも強いという特徴があります。一方で、監督不在によるカンニングやなりすましのリスクが課題です。成功させるには、受験者への事前レクチャー、サーバー性能の確認、当日のサポート体制の整備など、準備と運営の工夫が不可欠です。これらを徹底することで、公正かつスムーズなオンライン試験運営が実現できます。