オンライン試験は、インターネットを通じて受験できる試験のことで、近年ますます一般的になりました。本記事では、オンライン試験を成功に導く重要なポイントを解説します。
オンライン試験のメリットとデメリットをよく理解し、有効活用していきましょう。
CONTENTS
オンライン試験を成功させるポイントとは?
オンライン試験を成功させるには、いくつかのポイントがあります。以下の方法を意識することで、オンライン試験を成功させられます。
安定したインターネット環境
インターネット環境を整備することで、安心してオンライン試験を受けられます。試験中の接続トラブルは、受験者に悪影響を及ぼします。
接続トラブルや、インターネットの遅延といったリスクを最小限に抑えましょう。
受験者にオンライン試験の方法を周知する
受験者がオンライン試験をスムーズに行うために、試験方法といったルールを事前に周知しておくことが大切です。オンライン試験は、受験者がパソコンやインターネットの扱いに慣れているかが大きく影響します。
そのため、主催者側で受験者に向けた説明資料や、受験方法を解説した動画を準備しておきましょう。「試験日程」「試験の流れ」「使用するプラットフォーム」「ログイン方法」「禁止事項」など、公平に運用するための準備が大切です。
トラブル発生時の相談窓口の準備
オンライン試験では、トラブルが発生した際の相談窓口の準備が必要です。試験中にインターネットの接続が切れたり、技術的な問題が発生した場合は、テクニカルサポートの助けが必要になります。
場合によっては再試験にも繋がるため、オンライン試験の主催者は、メール、電話といった複数の相談窓口を用意しておきましょう。さらに、オンライン試験前は受験者に対して、トラブル時の相談窓口や連絡先を周知しておくとより効果的です。
プラットフォームのライセンスは常に最新の状態に
オンライン試験で使用するソフトウェアやオンラインサービスは、常に最新バージョンに更新しておきましょう。ライセンスが古いままですと、試験中に利用できなくなるといった重大なトラブルに繋がります。
そのため、ライセンスを常に最新の状態に更新しておくことで、安心してオンライン試験を受験できる環境が整います。ライセンスを更新すれば、便利な最新の機能が利用できるだけでなく、セキュリティの更新が提供されるため、より安全な試験環境が手に入ります。
オンライン試験では不正対策も重要
オンライン試験の普及にともない、不正行為のリスクも増大しています。そのため、オンライン試験では、適切な不正対策が成功に導く重要なポイントになります。
ここからは、オンライン試験での不正防止に役立つ方法をご紹介します。
Webカメラで監視
監視員が、受験者が使用するパソコンのWebカメラを利用し、リアルタイムで試験を監視する方法があります。受験者の行動を細かくモニタリングし、不自然な動きや試験中の移動・離席などを把握できます。
広い画角を持つWebカメラを使用すれば、受験者の周囲の状況も観察できます。疑わしい行動が見つかった場合、監視員は音声やチャットを通じて直ちに注意を促し、必要に応じて試験を中断することもできます。
受験者数が多い場合、監視員の増員が必要となりますが、リアルタイムでの監視体制を敷くことは可能です。
AIで検出する
現在、さまざまなAI(人工知能)が開発され、オンライン試験でのカンニング防止対策としても活用されています。
たとえば、物体を検知する機能を搭載したAIを用いれば、受験者のテスト環境を自動で検出することもできます。カンニング行為や、同じ部屋に受験とは関係のない人物の存在を検知できるのです。
ほかにも、パソコン画面を認識するAIを導入すれば、受験者が別のタブで解答を検索する行為を自動的に検出できます。受験者に対しては、目線を検知するAIを利用することで、カンニング行為による不自然な動きも検出できます。
このように、AIを活用すれば、監視員の確保が難しい場合でも試験を厳正に実施できます。
顔認証でなりすまし防止
替え玉受験といった不正な受験を未然に防ぐためには、顔認証による本人確認が効果的です。受験者は申し込み時に、本人確認が可能な写真つきの書類を提出し、試験当日の映像と照合されます。
監視員による本人確認は労力が掛かるため、AIによる顔認証は不正防止と負荷低減に役立ちます。
オンライン試験を行うメリット
オンライン試験には、多くのメリットがあります。インターネット上でテストを受験すると、どんなメリットがあるのか解説します。
開催場所の制約がない
まず、オンライン試験であれば、時間や場所に制約されずに受験できます。受験者は、自宅やレンタルオフィスなどからアクセスし、指定された試験時間にログインすれば受験できます。
試験会場の制約がないため、移動時間や交通費を気にせずに受験が可能です。これにより、試験会場が遠い方や、忙しいスケジュールを抱える方々でも効率的に試験を受けられます。
オンライン試験であれば、同日に複数の試験にも参加できるため、時間効率が高まります。
採点・結果が即日可能
オンライン試験では、採点の自動化が進んでおり、受験後すぐに結果の確認ができるメリットがあります。従来の記述式の試験では、結果が出るまでに時間が掛かることが一般的でした。
しかし、オンライン試験ではコンピュータプログラムによる自動採点が行われ、迅速なフィードバックが可能となりました。
運営費の削減
オンライン試験は、試験を実施する主催者側にも大きなメリットがあります。オンライン試験であれば、試験監督や試験会場の手配が不要となり、運営費の削減が可能です。
大規模な試験ともなると、一度の試験でたくさんの人手が必要になりますので、莫大な予算を投じなければなりません。オンライン試験であれば、試験会場に必要な受付スタッフや、警備員なども不要ですので、さまざまな教育機関や企業で採用されています。
データ管理で集計・分析が容易
従来の試験方法では、受験者データの管理や試験結果の集計などは、手動で行っていました。そのため、試験データを活用した分析や評価に関しては、容易なものではありませんでした。
しかし、オンライン試験では、受験者の情報だけでなく、合否や試験結果などもすべてデータで一元管理できます。特定の条件にもとづくデータ抽出も自由自在です。
たとえば、社内試験を実施した際、合格基準に到達していない受験者を選別し、研修を再受講させるといった使い方も行えます。分析では、問題ごとの解答時間や正答率など、筆記試験では得られないさまざまなデータを取得できます。
データにもとづいた評価と分析を行うことで、試験の改善や今後の学習支援に役立ちます。
オンライン試験を行うデメリット
とても便利なオンライン試験ですが、デメリットについてもチェックしておきましょう。試験の主催者、受験者の視点で解説します。
通信トラブル
オンライン試験という特性上、インターネットの通信トラブルは避けられません。インターネット接続の不安定さや、受験者のデバイスの故障などにより、試験中に予期せぬトラブルが発生する可能性があります。
通信トラブルによって、試験が中断してしまったり、再試験といったリスクがともなうことを覚えておきましょう。
不正対策
オンライン試験ですと、試験会場の監視が難しいという問題もあります。従来の試験とは異なり、受験者が自宅など試験会場と異なる場所から受験するため、試験の監視が困難です。
不正行為や試験規則の違反を防ぐためには、高度な監督システムやセキュリティ対策が必要となりますが、それでも完全な防止は難しい場合があります。
試験内容が限定される
オンライン試験では、試験に出題する問題形式が限られることもデメリットのひとつです。インターネット上で実施することが困難な実技試験など、特定の形式の試験に限定されます。
あくまでも、オンライン試験で受験できるのは記述式の試験となります。
入念な対策でオンライン試験を成功させよう
オンライン試験を導入すれば、試験の利便性が向上するだけでなく、開催側の負担軽減にもつながります。試験会場の設営や、受付に掛かる会場費用や人件費も大幅に削減できるメリットがあります。
ただし、便利な反面不正や技術的なトラブルといった課題も存在します。そのため、オンライン試験を成功させるには、入念な対策が必要です。
不正対策の強化のために、AIなどの最新技術を積極的に導入しましょう。デメリットを理解しつつ、入念な準備と対策を講じることで、オンライン試験を有効活用することが可能となります。